日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
高温環境下における卵殻の品質におよぼす飼料への亜鉛メチオニン添加の影響
喜多 一美法邑 勲奥村 純市
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1997 年 34 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

高温環境下における産卵鶏の卵殻品質におよぼす飼料への亜鉛メチオニン(Zn-Met;亜鉛含量80 g/kg,メチオニン含量160 g/kg)添加(500 mg Zn-Met/kg diet)の影響について調査した。実験は,1995年6月15日から12週間にわたって行った。
実験開始1週間における日中最高気温の平均値は25.5°Cであり,実験開始後第8週まで上昇した(37.5°C)。最高気温は,その後3週間有意差はなく,それ以後,実験終了時まで低下していった。実験開始後第4週における産卵率は,実験開始時より有意に低かった。異常卵の数は,気温の変動と同様に変動した。卵殻重量は,0から8週にかけて減少し,その後有意に増加した。第8週における卵殻厚が、実験期間中最も薄かった。卵殻強度は,第4週から第8週にかけて低下し,その後有意に上昇していった。飼料への亜鉛メチオニン添加は,卵殻の品質に影響をおよぼさなかった。以上の結果から,本研究で用いたレベルの飼料への亜鉛メチオニン添加では,高温環境下における卵殻の品質の低下を改善できないことが示された。

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