アドレナリン作動性神経のα2受容体刺激薬であるクロニジンと神経ペプチドであるニューロペプチドYの中枢投与はそれぞれニワトリの摂食量を増加させることが知られている。今回の実験においてはその効果が独立した系で起こるのかどうかを調査した。クロニジンとニューロペプチドYを単独,あるいは同時にニワトリの脳室に投与したところ,クロニジンとニューロペプチドYはそれぞれニワトリの摂食量を増加させた。両者を同時に投与したグループにおいてはそれぞれの効果が相加的に現れ,摂取量は最も多くなった。これらの結果より,クロニジンとニューロペプチドYは独立した系でニワトリの摂食量を充進させるものと推察された。