日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
愛媛県南部に残存していることが新たに知られた在来鶏の特色とその遺伝子構成
田名部 雄一狩野 晴香木下 圭司谷脇 理岡林 寿人
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2000 年 37 巻 2 号 p. 101-107

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抄録
最近愛媛県南部の西宇和郡,東宇和郡,喜多郡,北宇和郡に小形で(体重雄1,091g,雌796g)土佐地鶏と似ているが,羽毛色や皮膚色が著しく多様な在来鶏集団が発見された。今回その121羽について外部形態の調査並びに採血を行い,その遺伝子構成を調査した。
羽毛色は赤笹,白笹,黒,白など多様であった。脚色は黄色が多いが柳色,鉛色もあった。耳朶色も赤が多いが,白混じりのもの,白の多いもの,白も見られた。血液蛋白質の多型を電気泳動法で調べた所,これを支配する18座位中9座位に多型がみられた。その遺伝子頻度から遺伝的距離による枝分かれ図により他の品種との遺伝的遠近関係を調べた。愛媛在来鶏は土佐地鶏,尾曳(蓑曳チャボ),小シャモなどと近い関係にあった。外部形態を支配する遺伝子座上の遺伝子頻度はいずれも現在の土佐地鶏で固定されている遺伝子の頻度が最も高かった。これらのことから愛媛在来鶏は恐らく近隣の高知県原産の土佐地鶏と共通の祖先から別れたと考えられる。土佐地鶏は以前には外部形態が多様であったことから愛媛在来鶏は保存会による土佐地鶏の外部形態統一化前の姿を残しているものと想像される。今後この愛媛在来鶏を愛媛地鶏と呼構することを提案する。
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