日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
鶏の血液所見,身体所見および卵形質に及ぼす品種ならびにケージ飼または平飼の影響
伊東 登森津 康喜柴田 綾乃寺井 明喜子
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2001 年 38 巻 5 号 p. J8-J13

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抄録

鶏品種ならびに平飼あるいはケージ飼が鶏の生産性にどのような影響を与えているか詳細に検討するため,血液生化学所見のほか身体所見,卵形質などの観点から検討した。白色レグホン系,ロードアイランドレッド系,白色レグホン×ロードアイランドレッド系のコマーシャル種合計58羽を用いた。艀化後10週齢から20週齢まで平飼あるいはケージ飼に分けて飼育し,その後,採血ならびに身体所見の計測を行った。血液検査として,血漿アルカリフォスファターゼ(ALP),酸性フォスファターゼ(ACP),カルシウム,リン,免疫グロブリン(IgG)を測定し,身体所見として羽毛スコア,体重,初産日齢を,卵形質として,卵殻厚,卵重およびハウユニットを調べた。これらの値は鶏品種と飼育形態の2元配置分散分析で解析した。ALPは平飼群がケージ群にくらべて有意に高く,ACPはその逆であった。IgGは,平飼群がケージ群にくらべて有意に高い値を示した。羽毛スコアは,平飼群の方が良好であった。体重や卵重に関しては,品種間で有意差を認めた。以上の結果,飼育形態によって血液検査値や身体所見が影響を受けることが明らかとなった。

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