日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
38 巻, 5 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 山崎 信
    2001 年 38 巻 5 号 p. J1-J7
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 伊東 登, 森津 康喜, 柴田 綾乃, 寺井 明喜子
    2001 年 38 巻 5 号 p. J8-J13
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏品種ならびに平飼あるいはケージ飼が鶏の生産性にどのような影響を与えているか詳細に検討するため,血液生化学所見のほか身体所見,卵形質などの観点から検討した。白色レグホン系,ロードアイランドレッド系,白色レグホン×ロードアイランドレッド系のコマーシャル種合計58羽を用いた。艀化後10週齢から20週齢まで平飼あるいはケージ飼に分けて飼育し,その後,採血ならびに身体所見の計測を行った。血液検査として,血漿アルカリフォスファターゼ(ALP),酸性フォスファターゼ(ACP),カルシウム,リン,免疫グロブリン(IgG)を測定し,身体所見として羽毛スコア,体重,初産日齢を,卵形質として,卵殻厚,卵重およびハウユニットを調べた。これらの値は鶏品種と飼育形態の2元配置分散分析で解析した。ALPは平飼群がケージ群にくらべて有意に高く,ACPはその逆であった。IgGは,平飼群がケージ群にくらべて有意に高い値を示した。羽毛スコアは,平飼群の方が良好であった。体重や卵重に関しては,品種間で有意差を認めた。以上の結果,飼育形態によって血液検査値や身体所見が影響を受けることが明らかとなった。
  • 桜井 健一, 唐澤 豊, 神 勝紀
    2001 年 38 巻 5 号 p. J14-J22
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ニワトリの消化管内で消化時に遊離するアミノ酸の組成が飼料タンパク質のアミノ酸組成と同じであるかどうかを明らかにするため,床皮あるいは卵白をin vitro消化し遊離するアミノ酸の組成を調べた。
    卵白あるいは床皮を塩酸水溶液に懸濁して30分後に,(1)ペプシンを添加して4時間後(pep 4), (2) pep 4の後トリプシンを添加し4時間後(tryp 4), (3)tryp 4の後αーキモトリプシンを添加して4時間後(chyt 4),および(4) chyt 4の後ニワトリ小腸液を添加して6時間後(intes 6)に遊離アミノ酸量を測定した(実験1)。遊離アミノ酸量は床皮,卵白ともpep 4とchyt 4では少なく,tryp 4とintes 6で顕著に増加した。元のタンパク質のアミノ酸量に対する各遊離アミノ酸量の割合は床皮,卵白とも,いずれの酵素反応後も,Asp, Thr, GlyおよびProが低く,TyrとPheは高かった(最高はintes 6における床皮のTyrの約60%)。総遊離アミノ酸量は常に床皮が卵白より少なく,床皮ではいずれの酵素反応後も遊離Hypは検出されなかった。
    実験2では卵白あるいは床皮を塩酸水溶液に30分間懸濁してから,(1)ペプシンを添加して1時間後(pep 1), (2)pep 1の後パンクレアチンを添加して1時間後(panc l),および(3) panc 1の後ニワトリ小腸液を添加して1時間後に遊離アミノ酸量を測定したところ,長時間反応の実験1と同様の結果が得られた。
    以上の結果から,ニワトリヒナが摂取した床皮は消化管内で卵白より遊離アミノ酸を生じにくく,床皮,卵白とも遊離しやすいアミノ酸と遊離しにくいアミノ酸が存在すること,および消化によって産生される遊離アミノ酸パターンは床皮と卵白の元々のアミノ酸パターンと異なることが示唆された。
  • 寺井 明喜子, 雨宮 正枝, 森津 康喜, 市川 舜, 永幡 肇
    2001 年 38 巻 5 号 p. J23-J27
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏血液中の貧食細胞の機能評価のために末梢血液を用いてルミノール依存性化学発光(CL)反応を測定するとともに機能性飼料添加によるCL反応への影響を検討した。CL反応の最適測定条件は血液38μlをハンクス培養液462μlと混和しCL測定器に入れ,ルミノール溶液20μlを添加し5分間安定させた後,チモーザン20μlの添加によって得られた。ピークCL値と偽好酸球数との問には,正相関r=0.754 (P<0.01), n=25が認められた。この条件でのCL反応(平均±標準偏差,n=25)は,8.0±0.37×103cpmであった。偽好酸球当たりのピークCLから算出した化学発光指数は16.0±0.88(平均±標準偏差,n=25)であった。鶏25羽への機能性飼料(鶏卵白発酵産物)の投与により投与前に比べ投与後の白血球数,偽好酸球数,ピークCL値,ピークタイム及びCL指数に動きを認めたことから,機能性飼料の偽好酸球への刺激効果が示唆された。
    鶏全血を利用した測定は,少量の血液(1~2ml)を用いて短時間で貧食•殺菌能をモニターすることが可能であり,鶏偽好酸球の貧食機能の評価への応用が可能であると考えられた。
  • 桝田 信也, 小柳 深
    2001 年 38 巻 5 号 p. J28-J35
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    孵卵中に大量のエストロジェンの作用を受けた雄鶏の性腺は,孵化時には卵巣様を呈することが知られている.本研究は,これらの性腺の成長に伴う変化を明らかにするため,艀卵5日目の種卵に0.64mgのエストラジオールベンゾエイト(EB)を投与し,艀化後から402日齢まで雄鶏の成長に伴う性腺および血中テストステロン濃度の変化ならびに成熟後の射出精液性状,副生殖器の形態を検討した.
    EB投与鶏の体重には対照鶏との間に差は認められなかったが,性腺重量は脾化時から60日齢までは対照鶏よりも低く,性腺の組織観察による精子形成状態においても104日齢では成熟相にある精子細胞数は対照鶏に比べて極めて少なかった.しかし,402日齢では性腺重量および精子形成状態は対照鶏とほぼ同様になった.血中テストステロン濃度は104~139日齢まで対照鶏よりも低かったが154日齢以降では差はみられなかった.しかし,402日齢のEB投与鶏の精巣表面には凹凸および胞状構造が認められた.さらに,300口齢以降に腰部マッサージ法で精液採取を試みた結果,クロアカの反転はまったく認められず,射出精子数は対照鶏の27.2%であった.また,精管の幅は対照鶏の57.7%と細く,種々の大きさの左右卵管が認められた.
    これらの結果から,艀卵中に外因性エストロジェンによって卵精巣となった雄性腺は加齢に伴って本来の性腺に戻り,精巣として正常なアンドロジェン分泌能および造精能をもっものと考えられる.しかし,騨卵初期の外因性エストロジェンの影響は精巣の表面形態の変化として残り,副生殖器の分化は著しく阻害され十分な量のアンドロジェンが分泌されても正常には発達せず,その影響は成熟後まで残るものと推察される.
  • 山村 奈美子, 水谷 哲也, 岩澤 淳, 中島 邦夫, 田中 実, 土井 守, 上吉 道治
    2001 年 38 巻 5 号 p. J36-J46
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵との関連におけるLHとPRLの合成の動態を明らかにしようとして,産卵鶏と休産鶏において,一日のいろいろな時間に下垂体前葉中のLH-βsubunitとPRLのmRNA濃度をSolution hybridization-RNase protection assayを用いて測定するとともに,下垂体前葉と血中におけるLHとPRL濃度をラジオイムノアッセイにより測定した。
    排卵周期中において,下垂体前葉中のLH-βsubunit mRNA濃度は排卵18-19時間前から順次増加し,排卵9-10時間前に最も高い値を示した。下垂体前葉中のLH濃度は排卵9-10時間前に有意なピ-クが見出された。血中LH濃度は排卵6-7時間前に有意に高い値が認められた。これに対して,休産鶏においてはこれらいずれに関しても一日の内で有意な変動は認められなかった。一方,下垂体前葉中のPRL mRNAとPRL濃度は,産卵鶏と休産鶏においてともに,一日の内で有意な変動は認められなかったが,血中PRL濃度は暗期後半の午前4-5時に有意なピ-クが見出された。
    これらの結果から,排卵前に認められるLHサ-ジに先立ってLH合成が促進されると推察され,また,PRL合成は一日の内で顕著な変動を示さないが,PRL放出は排卵とは無関係に明暗周期と関連して暗期後半に多くなるような様相で日内変動していることが明らかとなった。
  • 山村 奈美子, 土井 守, 上吉 道治
    2001 年 38 巻 5 号 p. J47-J57
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    2種類の性腺刺激ホルモンのうち,黄体形成ホルモン(LH)は排卵を誘起するとともに,プロジェステロン(P4)の産生を刺激し,一方卵胞刺激ホルモン(FSH)は卵胞発育を刺激することが知られている。ニワトリの排卵周期は約一日であるが,この周期を含めて一日内におけるLH放出の様相は明らかにされている。しかしながら,一日内におけるFSH放出の様相はいまだ十分には明らかにされていない。そこで,本実験では,照明開始を午前5時とする14時間照明で飼育した成鶏雌において,LH放出との比較において排卵日と無排卵日の一日内におけるFSH放出の様相を知るために,カニューレ法により2時間毎に24時間にわたり血液を採取し,それらの血漿中のLHとFSH濃度をニワトリLHとFSH測定用ラジオイムノアッセイキットを用いて測定するとともに,いろいろな卵巣状態にあるニワトリにおいて一日内における血中P4濃度をRIAにより測定した。また,排卵日と無排卵日の一日内のいろいろな時期に最大卵胞(F1)と2番目に大きい卵胞(F2)の重量を測定した。
    無排卵日の一日内において,血中LH濃度は暗期開始直後の21時に,一方FSH濃度は明期後半の13時と15時に有意に高い値を示した。血中P4濃度は,排卵の有無に関係なく,暗期に高くなる傾向を示すとともに,排卵日には排卵6時間前頃に著しく高い値が認められた。排卵日の一日内において,血中FSH濃度は,排卵17-18時間前に相当する13時から15時にかけて有意に高い値が認められ,また暗期である排卵7-10時間前にも高い値を示した。F1とF2の重量は,排卵の有無とは関係なく,血中FSH濃度の増加が認められた直後の16時から翌日の1時にかけて順次増加し,その後に増加は認められなかった。
    これらの結果は,排卵の有無に関係なく,LH放出は暗期初期に,一方FSH放出は明期の後半に高くなるような日内変動が存在すると推察された。
  • 周 長海, 大谷 滋, 田中 桂一
    2001 年 38 巻 5 号 p. J58-J65
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    飼育後期における肉用アヒルの成長,体成分および脂肪酸合成に及ぼす飼料中MEおよびCP含量の影響を検討した。肉用アヒルヒナに15~42日齢の28日間にME含量を2.80, 3.00および3.20Mcal/kg, CP含量を14%, 16%および18%とした9種の飼料を給与した。実験期間中の増体量はME含量の増加およびCP含量の増加に伴って有意に増加した。飼料要求率は,ME 3.00およびME 3.20Mca1/kgの飼料を給与した場合はCP含量の増加に伴い改善された。体重に対する腹腔内脂肪重量比はME含量の増加に伴い増加,CP含量の増加に伴い低下し,肝臓における脂質合成関連酵素活性と正の相関が認められた。NADP-リンゴ酸脱水素酵素(NADP-malate dehydrogenase, NADP-MDH)およびグルコース-6-リン酸脱水素酵素(glucose-6-phosphate dehydrogenase, G-6-PDH)活性は共にCP含量の増加に伴って低下した。アヒル肝臓でのG-6-PDH活性はNADP-MDH活性のほぼ55~90%の値であり,脂肪酸合成に必要なNADPHは,ニワトリと異なり,NADP-MDHが関与するピルビン酸一リンゴ酸サイクルおよびG-6-PDHが関与するペントースリン酸経路の両方の経路によって,供給されているものと推察された。
  • 王 靖宇, 伊藤 敏男
    2001 年 38 巻 5 号 p. J66-J71
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラーの成長に伴う行動と熱産生量(HP)の変化を2日齢から54日齢にわたって,自由給餌,50%給餌および絶食区を設け各区雌雄それぞれ4羽を計24羽使用して調べた。立位姿勢の分布は明期に集中し,2日齢での採食を含む総立位時間は約700分/日と多く,その後,日齢の経過に伴い少なくなる傾向であった。50%給餌区と絶食区でも,日齢の進行に伴い,雌雄ともに立位姿勢時間が減少する傾向であった。1日の採食時間は16日齢までは日齢の進行に伴い増加し,その後,日齢の経過と共に短くなる傾向であった。雄のHPは28日齢以降,雌より高くなった。24日齢以降,雄の採食量と平均採食速度は,雌より有意に高く,摂取エネルギーの利用性も雄で良好で,これらが雄の増体量に差をもたらしているものと考えられた。
  • 王 靖宇, 伊藤 敏男
    2001 年 38 巻 5 号 p. J72-J76
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラーにおける行動と熱産生量(HP)に及ぼす歩行運動付加の影響にっいてトレッドミルを用いて実験した。贈化直後のブロイラー雄32羽を47日齢まで供試した。通常飼育の対照区と運動付加区(運動区:長,中,短距離区)を設定し,歩行運動は3日齢から46日齢までトレッドミルで行い,1回の運動時間は5分とし,長距離区では1日3回(102m~264m),中距離区では2回(68m~176m),短距離区では1回(34m~88m),強制的に運動させた。歩行速度は日齢に合わせて6.8~17.6m/分とした。立位姿勢と採食行動は明期に集中した。HPは日齢の増加に伴い減少し,暗期は明期より有意に(p<0.05)低かった。中距離運動区のHPは他の区より低い傾向を示した。運動付加区の増体は劣ったが,腹腔内脂肪率の低下と飼料要求率の改善の傾向が認められた。本実験の結果,適度な運動付加(10-15分/日)は,ブロイラーの生産性の改善に有効であると考えられた。
  • 金子 国雄, 山崎 光一, 田川 裕治, 徳永 睦子, 飛佐 学, 古瀬 充宏
    2001 年 38 巻 5 号 p. J77-J85
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    3週齢のブロイラーに日本茶葉を7週間与え,成長,飼料摂取量,血清成分,産肉量,内臓重,肉色調および肉成分に及ぼす影響について検討した。配合飼料中に粉末状にした日本茶葉を0, 1.0, 2.5ならびに5.0%添加混合した。
    10週齢の体重は日本茶葉の用量に依存して低くなった。飼料摂取量と体重増は同様な傾向を示し,日本茶葉の摂取量が高くなるにしたがって減少した。飼料要求率は対照区と茶葉5.0%区の間に0.61の差を生じた。胸肉•もも肉•ささみを合計した正肉三品歩留(屠体重に対する正肉三品の割合)において,茶葉5.O%区は他の区に対して有意に小さくなった。
    腹腔内脂肪率も同様に茶葉の添加量が増えるにしたがい小さくなった。ブロイラーの腹腔内脂肪と体重との問には正の相関関係(r=0.78)が確認された。胸肉色調の赤色度(a値),黄色度(b値)ともも肉色調の赤色度(a値)は茶葉の添加量にしたがい高くなった。
    本実験の結果から,日本茶葉の給与はブロイラーの成長を抑制するが,それ以.ヒに腹腔内脂肪の蓄積を抑制し,同時に肉色調を高めることが認められた。
  • 神 勝紀, 熊王 俊男, 唐澤 豊
    2001 年 38 巻 5 号 p. J86-J92
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    13C化合物を投与したニワトリの呼気CO2中の13C atom%を気管カニューレなどの呼吸器具を使わずに連続的に測定する目的で,呼吸チャンバー型の呼吸試験装置を作製した。装置の取り扱いの簡便化と低コスト化を図るために,赤外分光型13CO2アナライザーを用いた。一般に,呼吸チャンバー型の呼吸試験装置ではチャンバー内のCO2濃度を1%未満に設定することが必要条件となるが,汎用性に富む本アナライザーの定量計算プログラムはCO2濃度1%未満の条件下では13C atom%を算出するように設定されていない。そのため低CO2濃度条件下における13C atom%の算出のための検量線を組み込み,呼吸試験装置の性能試験を行った。その結果,CO2濃度が0.65%以上であれば13C atom%を測定し得ることが示された。この時の本装置のCO2回収率は約108%であった。そこで,実際に3ヵ月齢のニワトリを用いて,[U-13C]グルコース(98 atom%)を血中投与(12.5 mg/kg体重)したとき呼気中に排出されるCO2の13C atom%を5時間にわたって10分間隔で測定した。同位体投与前における呼気CO2の13C atom%の測定値は1.091%と算出され,13Cの自然存在率(1.108 atom%)よりわずかに低かったものの,測定値の変動はほとんど認められなかった。[U-13C]グルコースの投与直後から13C atom%は急増し,約100分後に最高値(1.274 atom%)に達した。その後,約240分後までゆるやかに減少し,それ以降は実験終了時まで低い値(約1.14 atom%)で推移した。以上の結果から,本装置はニワトリの呼気CO2中13C atom%の連続測定が可能であると判断された。
  • 古瀬 充宏
    2001 年 38 巻 5 号 p. J93-J95
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 家禽•豚からのリン排泄量低減技術の開発
    武政 正明, 高木 久雄
    2001 年 38 巻 5 号 p. J96-J100
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 38 巻 5 号 p. J101-J107
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top