日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
蛋白価法による各種蛋白質の栄養価の測定
目加田 博行海老沢 昭二二村 喜久雄
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1972 年 9 巻 6 号 p. 267-273

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抄録

養鶏飼料の蛋白質源として使われる魚粉, フイッシュソリュブル, ミートボーンミール, フェザーミール, 大豆粕, 綿実粕, アマニ粕, ゴマ粕, ヤシ粕の9種類と, これからの主要蛋白質源として注目されている炭化水素酵母と, 現在では利用されていない羊毛粉の計11種類について, 鶏ひなを使用して蛋白価を測定した。
各種飼料の蛋白価は, 魚粉: 110, ミートボーンミール: 92, ブイッシュソリュブル: 74, フェザーミールA: 40, フェザーミールB: 4, 綿実粕: 67, 大豆粕: 63, アマニ粕: 54, ゴマ粕: 13, ヤシ粕: 28, 炭化水素酵母: 93, 羊毛粉: 17であった。
カゼインと炭化水素酵母のアミノ酸を分析した結果, カゼインに比較して炭化水素酵母に不足する必須アミノ酸はメチオニン, イソロイシン, ロイシン, フェニールアラニン, バリン, ヒスチジンの6種類であった。不足するアミノ酸のうち, イソロイシン以外の5種類のアミノ酸を炭化水素酵母に単独添加して, 蛋白価を測定した結果, メチオニンの添加効果は, 蛋白価の向上に有効で, 不足量の2倍添加すると顕著な効果が認められた。その他のアミノ酸の添加効果は見られなかった。

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