2023 年 3 巻 2 号 p. 2_34-2_39
目的:見学実習が,理学療法学生の装具に関する知識・能力に与える影響を縦断的に明らかにし,入学後の早期に行われる見学実習における装具教育の一助とすること。対象と方法:3年制専門学校理学療法学科1年次生29 名とした。調査には質問紙を用い,理学療法士に必要とされる装具に関する知識・能力に関する20項目を尋ねた。質問紙調査は,見学実習前後に合計2回行った。統計解析は,20項目の回答についてWilcoxonの符号付け順位検定を用いて,見学実習前後の理学療法学生の回答を比較検討した。結果: 理学療法学生の回答において,見学実習前後にて有意差が認められた項目は,「装具の部品の種類と適応に関する知識」,「装具の活用に関わる疾患や病態に関する知識」であった。結語: 見学実習が理学療法学生の装具に関する知識・能力に与える影響が確認された。影響を及ぼさない要因については,その分析と学内教育での取り組みが重要となる可能性がある。