目的:本研究は,インストラクショナルデザイン(以下,ID)の手法を用いて酸塩基平衡の独学教材を開発して有用性を示すことを目的とした。方法:対象者は,理学療法士9名とした。 ADDIEモデルに従って,事前,事後,1か月後のテストと独学教材を開発した。測定項目は,経験年数,テストの得点と実施時間,教材の実施時間,1か月後のテストまでの臨床での知識の使用回数とした。統計解析は,テストの得点をBonferroni法による多重比較を行った。各測定項目はそれぞれSpearmanの順位相関分析を用いて解析した。結果:事後テストの得点は事前テストより有意に高かった(96 vs 40, p=0.027)。1か月後のテストの得点は事前テストより有意に高かった(87 vs 40, p=0.012)臨床での使用回数が多いと,1か月後の下がり幅は有意に少ない関係性にあった(r=-0.77, p=0.015)。結論:ID手法を用いた酸塩基平衡の独学教材は,効果的である。今後は,教材を使用した後に臨床で応用する機会を作るための工夫も考慮する必要がある。
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