抄録
「目的」機能障害度ステージ 5 以降で歩行不能となったデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者は車椅子上で生活し、リクライニング機能やティルト機能を使用して休息する。その場合に骨盤帯アライメントに変化が起こる可能性がある。本研究では車椅子座位時で各々の機能を使用した場合に骨盤帯アライメントに起こる変化を検討することを目的とした。 「方法」健常成人男女各 10 名を対象とし、リクライニング・ティルト機能付き車椅子座位姿勢での骨盤帯アライメントの変化を矢状面からデジタルカメラで撮影し、画像から骨盤帯、股関節の角度を測定した。 「結果」リクライニングでは骨盤帯、股関節アライメントに変化が認められたが、ティルトでは 変化は認められなかった。身体的な男女差は認められたが、運動学的な男女差は認められなかった。 「結論」リクライニングでは骨盤大腿リズムによる股関節伸展、骨盤前傾が認められたが、ティ ルトでは認められなかった。