Journal of Reproduction and Development
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研究短報
牛胚移植後の流産発生状況
関沢 文夫斉藤 光男久利生 正邦飛田 府宣荒井 徹中原 達夫
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キーワード: Bovine, Embryo transfer, Abortion
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1996 年 42 巻 5 号 p. j25-j27

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抄録
一般農家で飼養されている牛を受胚牛として,胚移植後の流産の発生状況を明らかにするために,1987~1991年の間に実施した胚移植後の流産発生状況を調査した.ホルスタイン種および黒毛和種牛から採取した新鮮胚および凍結胚をホルスタイン種牛(未経産および経産)に非外科的に移植し,受胎した399頭を供試牛とした.4年間の合計流産発生率は8.8%(35/399)で,新鮮胚(9.0%)および凍結胚移植後の流産発生率(8.6%)に有意差は認められなかった.2胚移植,1胚移植および人工授精後非黄体側子宮角内への1胚の追い移植における流産発生率は,それぞれ13.5,8.5および3.2%で3者の間に有意差は認められなかった.胚移植後の日数別の流産発生率は,新鮮胚および凍結胚とも80日以内で有意に高く(p<0.05),それぞれ総流産頭数の46.7%および60.0%がこの期間に含まれていた.以上の結果から,新鮮胚および凍結胚移植後の流産発生率には有意差がなく,流産発生時期は新鮮胚および凍結胚ともに胚移植後80日以内に有意に多発することが認められた.
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© 1996 Society for Reproduction and Development

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