Journal of Reproduction and Development
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副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の簡便なラジオイムノアッセイ
苫米地 多惠子田谷 一善赤井 誠笹本 修司
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1994 年 40 巻 6 号 p. j99-j104

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抄録
lgG Corporation製のACTH抗体(lgG-ACTH-1)を用いて,各種動物に応用可能なACTHのラジオイムノアッセイ(RIA)の設定を試み,サンプルからの抽出操作が不要で,高感度なRIAを安定して実施できることが判明した.RIA操作の概要は以下に示す通りである.
測定用ポリスチレン製試験管に,BSA•RIA緩衝液を加えて全量を100μlとした血液サンプルをとり,第一抗体100μlを加えて4Cで24時間反応させる.これに標識ホルモン100μlを添加し,24時間インキュベート後,第二抗体1OOμlを加えてさらに24時間反応させる. BSA•EDTA緩衝液1mlを加え,4C,1700 gで30分間遠心分離して得られた沈澱の放射活性をγ一カウンターにて測定する.標準溶液から得られた標準反応曲線を用い,サンプル中のACTH濃度を算出する.
本法により,各種生理的条件下のラット血中ACTH濃度の測定を試みた結果,標準曲線とラット血清の用量反応曲線は良く並行し,ラットの血清あるいは血漿1~40μlで測定可能であった.また,ラット以外の4種類の動物の血中ACTH濃度の測定を試みた結果,いずれの動物の血清も標準曲線と良く並行し,測定が可能であることが判明した.
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© 日本繁殖生物学会
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