日本繁殖生物学会 講演要旨集
第98回日本繁殖生物学会大会
セッションID: 141
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内分泌
酵素免疫測定法(EIA)による家畜での培養液中下垂体前葉ホルモン濃度の測定に関する研究
*滝澤 美紗子米澤 智恵美野中 寿美恵鈴木 佐衣子橋爪 力
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抄録
【目的】ラジオイムノアッセイ(RIA)による下垂体前葉ホルモンの測定は、アイソトープを使うため種々の制約がある。そこで本研究では、アイソトープを使わないEIAによる家畜の下垂体前葉ホルモン濃度の測定方法について検討した。
【方法】本研究では培養液中のブタのプロラクチン(PRL)と成長ホルモン(GH)濃度のEIAによる測定法について検討した。ブタのPRLとGHをビオチンで標識し、透析膜を利用してビオチン標識したPRLとGHを回収した。第二抗体をコーティングした96ウェルプレートに標準ホルモンと第一抗体を添加し一晩4°Cでインキュベーションした。次にペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンを加えた後、過酸化水素とオルトフェニレンジアミンの入った基質液で30分間反応させた。硫酸で反応を停止させたのち、各ウェルの吸光度(495nm)を測定した。
【結果】本システムでのEIA に適したビオチン標識PRLとGHの希釈倍率はそれぞれ6,000倍および30,000倍であった。 PRL とGHはそれぞれ0.16~40ng/mlと0.31~40ng/mlの範囲で良好な標準曲線が描けた。PRL とGHの標準曲線はそれぞれ培養液とブタ血清との間で良好な平行関係が見られた。培養液からのPRLとGHの平均回収率はそれぞれ133%および104%であった。EIAと RIAで測定した培養液中のPRLとGH濃度にはそれぞれ正の相関関係が認められた。本研究の結果は、培養液中のブタのPRLとGH 濃度は本研究で確立したEIA により測定できることを示している。
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© 2005 日本繁殖生物学会
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