地域漁業研究
Online ISSN : 2435-712X
Print ISSN : 1342-7857
論文
漁業合作経済組織の効果に関する研究
―老坝港(Laobagang)ノリ協同組織(Association)を事例として―
高 健扬 正勇長谷川 健二
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 46 巻 2 号 p. 23-40

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抄録

本論文では,中国江蘇省南通市の老坝港鎮に所在する老坝港ノリ協同組織のケーススタディを行っている。南通市は,扬子江に近い沿岸都市である。そしてノリ生産で有名な所である。この論文においては,協同組織(Association)の経済効果の分析を行い,この組織(Association)の成長と役割に関して簡単に紹介する。

我々は,本研究におけるケース・スタディから次のような結論を導き出した。

本論文でとりあげたノリ協同組織は,養殖業者の収入を上昇させ,地域経済の発展にとって好ましい状況を生み出した。それは,第一に,協同組織の設立によって,個々人のレベルでの利益の最大化をめざしたものから協同組織(Association)全体の利益の最大化を志向するレベルに養殖業者達の意志決定のあり方に変化をもたらしたことである。そして個々の合理性に基づく均衡の達成は,協同組織(Association)の合理性に基づく均衡の達成へと転換した。こうしたことによって,生産者達の間の激しい競争が現れた。第二に,協同組織(Association)は,取引コストを低減させることによって経済的成長を達成した。第三に,協同組織(Association)は,養殖業者達の交渉力を高め,養殖業者間の競争を弱めた。第四に,協同組織(Association)は養殖業者達の情報収集コストを節減することが出来た。

著者は,今日,漁業者達の収入がしだいに増加し,漁業者間の激しい競争が存在するような時期に,政府が漁業者達の利益を守り,中国漁業経済の持続的発展を促進する上で,漁業者達の協同組織(Association)の発展を推進していく必要があると考えている。

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© 2006 地域漁業学会
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