本稿の目的は,①魚介類の自動車営業活動が盛んな東京都の状況と,②かつて営業が盛んであった山間地域における営業活動の変容を把握することであった。要約すると,以下のことが明らかになった。
1)営業者の増減率から各都道府県は,ⅰ.営業者増加地域,ⅱ.減少率が30%未満の地域,ⅲ.減少率が30~50%の地域,ⅳ.減少率50%以上の地域に分けることができた。
2)東京都で活動の盛んな足立,江戸川,江東,大田の4区をみると,高齢者が多くて魚介類の需要が大きく,魚市場が存在するなどの共通点がみられた。
3)山間地域においては,魚介類自動車営業がすたれたところと,現在でも活動が盛んなところにはっきりと分かれた。