環境技術
Online ISSN : 1882-8590
Print ISSN : 0388-9459
ISSN-L : 0388-9459
技術論文
水質浄化を目的とした人工土壌団粒の創造
佐藤 邦明安部 香奈江高松 亜弥岩島 範子増永 二之
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 48 巻 3 号 p. 146-155

詳細
抄録

 本研究では,土壌を利用した水質浄化技術の開発を目的とし,黒ボク土壌へ各種資材を混合し攪拌造粒によって人工的に土壌団粒を作成した.そして,高速処理条件で水質浄化試験を実施した.ミミズ糞団粒やケイ砂と比較して人工土壌団粒は高い有機物除去能を持ち,同時に高いリン除去能も示した.ただし,おがくずを混合した人工団粒では,生物膜が肥大化しやすかったためか水質浄化能は低かった.鉄粉を混合した人工団粒では,過剰な送気によって水質浄化能が低下する傾向が示され,それは過剰に酸化鉄が生成したためと推察された.ゼオライトを人工団粒に混合することによって,アンモニア除去及び窒素除去能が向上した.しかし,高速処理で従来法と同程度の窒素除去率を示したものの,今後は窒素浄化能をさらに向上させる手法の検討が必要であると考えられた.

著者関連情報
© 2019 環境技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top