2019 年 75 巻 5 号 p. I_9-I_14
地球温暖化に伴い高潮リスクの増大が懸念されており,その影響を定量的に把握することは重要である.本研究ではWRFによる力学的ダウンスケーリングと高潮推算モデルSuWATにより,2018年台風21号による高潮の再現実験および擬似温暖化実験を行った.WRFで計算された気象場をSuWATに入力して高潮を推算したところ,気圧・風速の経験的なモデルによる再現結果と比較し,観測潮位偏差の再現性が高くなった.擬似温暖化実験では気圧の低下と風速の増加に伴い大阪湾の東側湾奥で顕著に潮位偏差が増大し,大阪潮位観測点では最大潮位偏差が87cm増加した.地球温暖化に伴う海面上昇の影響を含めると,大阪潮位観測点では潮位が157cm増加する可能性を明らかにした.