環境技術
Online ISSN : 1882-8590
Print ISSN : 0388-9459
ISSN-L : 0388-9459
研究論文
散水ろ床フォトリアクターによる合成廃水の処理
― 有機物除去と硝化への光照射と水理学的滞留時間の影響 ―
加藤 慎之介中條 明人野村 快斗惣田 訓
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 51 巻 6 号 p. 308-315

詳細
抄録

藻類-細菌系の廃水処理性能の優位性を検証するため,ポリエステル担体(8㎤,充填率47%)をろ材 とした散水ろ床フォトリアクター(φ13.5 ㎝,H30 ㎝,3層)を構築し,合成下水(TOC 104 ㎎/L,T-N 50 ㎎/L,PO43--P 11 ㎎/L)を赤色 LED(15 µmol/㎡/s,L:D=12h/12h)を照射しながら水理学的滞留時間(HRT)12~2h で通水した.HRT 12h における処理水の TOC,T-N,PO43--P の濃度は,フォトリアクターは4.5 ㎎/L,29.3 ㎎/L,8.1 ㎎/L,光を照射しない通常の散水ろ床は9.1 ㎎/L,40.5 ㎎/L,7.2 ㎎/L であった.フォトリアクターには,緑藻や珪藻,細菌が定着し,HRT 8h 以上において,TOC 除去, 硝化,炭素源資化能が優れていた.

著者関連情報
© 2022 環境技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top