抄録
加速感等の車両の統合運動知覚と吸排気音などの音源知覚の観点から, エンジン音の機能を考え, 運転者への情報性を高める音響デザインを行った. 本技術は, 原音と融合するように合成波形を車室内に発音させるものである. エンジン音の種類により, 適切な音像定位が得られるように電気音響変換器を車室前後の副音場に設置した. 顕著なエンジン音の種類は, 回転数域に対応し, 回転数変化による音色とピッチ変化を本デザインは強調した. さらに, 音像の定位移動も明確にし, 空間的な音響も実現した. 本デザインは, V8 ガソリンエンンジン搭載のFR スポーツセダンに採用された.