2016 年 2016 巻 BI-005 号 p. 03-
本研究では、エボラ出血熱およびジカ熱ウイルスによる感染症モデルに基づき、それらの感染力の比較とワクチン接種などの医療政策の有効性について述べる。このモデルでは、一人ひとりの行動をコンピュータ上で表現することが可能であり、これらのデータを用いて人々の接触過程をシミュレーションすることから、感染症の広がりを表現することができる。本研究では、Epstein等の天然痘感染モデルをベースとして、医療政策として重要なワクチン接種および蚊の発生抑制などをモデル化した。実験結果から、電車通勤などの公共交通機関の感染拡大への影響が大きいこと、駅周辺での蚊の発生抑制が有効であることが見出された。