抄録
食用きのこの増収を目的に,電気刺激用パルス電源の開発と,それを用いて増収効果を検証した。木材腐朽菌のシイタケ,ナメコ,クリタケ,ハタケシメジの4種類を実験に用いた。パルス電源は,軽量コンパクト化が可能な誘導性エネルギー蓄積方式で構成した。電源出力は100kV以上,パルス幅は約100nsである。この電源でホダ木や菌床に高電圧を印加し,収量を調べた。電圧印加により,収量は1.3∼2.0倍に増加した。シイタケの4シーズンの累積収量は,電圧50または100kVの1回印加で,160から320gへ増加した。しかし電圧130kVでは240gに減少した。他のきのこも,50∼100kVで増収となった。