1977 年 39 巻 2 号 p. 207-213
稲わら叩解処理工程は, わらに機械的処理を施すことによりわら自体の剛性を低下させ, 解繊作用を促進させる処理工程であるが, この工程を圧縮成形工程システムに加えることは, わらの絡み性の増加に伴うウェーハ強度の向上, および低圧縮力による圧縮成形という点で大きく評価され, ウェーハ成形システムにおける重要な構成要素であると言える。従って, この叩解工程における稲わらの叩解処理によって生ずる繊維形状の変化を解析することが重要となり, 本報では叩解処理をうける稲わら量を繊維長頻度分布およびデニール頻度分布で示し, これらを入出力ベクトルで表わし, ベクトル間の関係を確率論的叩解表示により叩解の統計的解析を行なった。一方, ビーターの作用において, 1ビート数あたりの供給わら量がデニール量を与えることが実験的に証明され, 回転刃盤の配列, 回転数および供給条件により出力わら量を推測することが可能であることから, 待ち行列理論による解析を行ない出力デニール分布表示を導いた。