傾斜地を走行するトラクタ挙動は上下・ピッチング・ローリングおよび前後進により表現可能であることから,前輪にスイング機構を有するトラクタのこれらの運動方程式を用いて,支持条件の違いによる挙動特性について考察を行った。また実際に転倒事故が起きた傾斜地における挙動シミュレーションを行い,重心変化による前後転倒への影響について考察を行った。その結果,スイング機構が有る場合は後輪に作用する反力に依存した挙動を示し,無い場合は前後輪の反力に依存した挙動を示すことを明らかにした。また,本供試条件において前後方向への転倒事故を防止する重心位置は後軸から軸距の32~65%であり,最適値は49%の位置にあることを明らかにした。