2017 年 79 巻 2 号 p. 140-148
ズッキーニに対するブランチング処理として,包装・無包装でのマイクロ波加熱および熱湯浸漬(従来法)を施し,凍結解凍時の品質変化に及ぼす影響を調査した。処理時間指標酵素であるペルオキシダーゼ失活の一次反応速度定数は,品温変化を考慮しないとき,熱湯浸漬<無包装<包装となった。一次反応速度定数の温度依存性を考慮したとき,水分損失の多い無包装では同温におけるPOD失活速度が極めて小さくなることが示された。包装処理と従来法を比較した結果,質量損失,ドリップロスおよびAsA残存率について有意差は無く,品質的に同等の製品が製造可能であった。また処理時間短縮といった観点からマイクロ波包装処理の有用性が示された。