本研究は,安全フレームを装備した農用運搬車が1:1.5(33.7°)の傾斜面上で連続的に側方転倒するかしないかを容易に予測する手法の開発を目標としている。各種力学現象を表現可能な物理エンジンソフトを適用することで,装着したフレームの安全高さならびに運搬車両の側方転倒挙動が予測可能かどうかを検討した。小型模型運搬車におけるフレームの安全高さの結果より,物理エンジンによる安全高さの解析精度を確認した。また,斜面の摩擦係数を考慮できないOECDの公表プログラムでの解析結果と比較して,物理エンジンによる運搬車の斜面上の転倒挙動の結果はより実際に近い斜面条件を反映していると判断された。