農業食料工学会誌
Online ISSN : 2189-0765
Print ISSN : 2188-224X
ISSN-L : 2188-224X
研究論文
乗用トラクタの事故調査結果を用いた事故要因分析とリスク評価手法の検討
青柳 悠也松井 正実武田 純一棚橋 拓也三浦 秦福島 崇志
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 81 巻 2 号 p. 93-103

詳細
抄録

乗用トラクタの事故は農業機械作業に係る死亡事故のうち最も多く,それらを低減することは農作業安全の観点から重要である。本研究では,新たに入手した乗用トラクタの事故調査結果から,発生確率を算出し,被害の程度に重みを付けて数値化することで,各事故要因の危険度および各事故事例のリスクを算出した。その結果,乗用トラクタ事故における,死亡,重傷のリスクは最大で57 %,61 %低減可能であると見込まれた。さらに,「安全性や操作性の低い機械」,「場所の傾斜,段差,凹凸」,「場所の狭さ(縁,物への距離)」の3要因を対策することで死亡・重傷のリスクの閾値を下回る見込みを得た。

著者関連情報
© 2019 農業食料工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top