農業食料工学会誌
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研究論文
走行中のトラクタ横転倒に関する研究
—旋回横転倒に関する考察—
青柳 悠也松井 正実福島 崇志
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2020 年 82 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

トラクタは傾斜地での旋回時に転倒の危険性が高く,遠心力の転倒への影響を把握することは,農作業安全の観点から重要である。本研究では,トラクタの遠心力を考慮した上下・ピッチング・ローリング・前後方向の4自由度の運動方程式を立案した。また,機体にかかる遠心力を模型実験により確認するとともに,剛性路面上での旋回時のトラクタ挙動解析を行った。その結果,実験により走行速度4.0 m/s以下の範囲において遠心力の理論値と実測値が良い一致を示した。また,向心加速度4.0 m/s2 程度において緩傾斜地で転倒に至ることが示され,転倒防止のためには傾斜地での旋回時は走行速度をできるだけ低くする必要性が示された。

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© 2020 農業食料工学会
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