抄録
われわれはB型肝炎対策の1つとしてB型肝炎ウイルス吸着・除去フィルター法を検討中である。同方法はB型肝炎対策のうちでは予防・発病防止・治療のうち一応予防の項目に, また免疫吸着法のうちでは非特異的吸着・特異的吸着のうち特異的吸着の項目に入り, 合目的な予防手段の1つと考える。なお同方法が有効に働くためには勝れた吸着・除去能を有することが必要条件である。今回は試作した各種フィルターのHBs抗原吸着能について検討した。担体(フィルター用線維)にはGantrezを, 抗体には抗ヒトHBs抗体(ヘブスブリン・ミドリ)を, 固定化法にはGantrez・SMA・glutaraldehyde各処理法を用いた。各線維はHBs抗原陽性血漿と反応させ, 血漿のHBs抗原減少量をRPHA法で, また線維のHBs抗原吸着量をRIA法で測定した。その成績は抗ヒトHBs抗体の溶液濃度とHBs抗体固定化材料のHBs抗原吸着能との間にはRPHA法で相関を認めたがRIA法では相関を認めなかった。またHBs抗体固定化法の相違とHBs抗体固定化材料のHBs抗原吸着能との間にはGantrez加工線維でやや勝れた吸着能を示した。現在さらに効率の良いフィルターを開発中である。