抄録
劇症肝炎の患者血清の有機溶媒による抽出物をHPLCで分画分取し、分取成分をIRにて測定して化学構造を推定した。その情報に基づいて吸着剤を選択した。患者血清を表面が酸性あるいは塩基性の吸着剤で処理した後、有機溶媒で処理し、抽出物をラット初代培養肝細胞に接種して、3H-thymidineの摂取量から細胞のDNA合成能を測定し、それによって吸着剤の肝細胞再生阻害物質の除去活性を判定した。その結果、DNA合成能は未処理の場合よりも吸着剤で処理した場合の方が良好な値を示すことが確認された。なかでも(固体酸+陰イオン交換樹脂)の組み合わせの吸着剤が高活性を示した。このことは肝細胞再生阻害物質は酸性と塩基性の物質の混合物、さらにはオリゴペプチド様物質である可能性を示唆している。