抄録
本研究では,ガラス表面ヘのビッカース圧子押し込みの過程において,圧子の侵入および退出とともに変化する押し込み点付近の応力場を, 三次元有限要素法により逐時的に求めた.解析結果に基づいて,クラックが最も発生しやすい押し込み過程中の時間, および予想されるクラック発生地点と進展方向を求めた.それによれば,2μmの最大押込み深さをソーダガラスに与えた場合,除荷開始時に,圧痕対角線方向に沿って,直線的な縦クラック(radial crack)が発生する可能性が最も高いことが予測された.さらに,横クラック(lateral crack)も,除荷開始時に発生する可能性が高いと予測された.これらの結果を実験結果と比較したところ,予測された結果は定性的に実験結果と良く一致した.