抄録
従来のバリ取り工具は部品の外面には適用しやすいが,小形部品の内側や細長い円管内面などの見えない,狭い箇所に生じた内バリの除去には適用し難い.本研究は,希土類永久磁石がもつ強力な磁気力を利用して磁石表面に磁性粒子(磁性砥粒)を磁気吸引させ,永久磁石工具が磁性粒子を介して加工面に加工作用を与える新しいタイプの内面磁気バリ取り技術を提案している.本技術は,工作物内部に挿入した磁石工具の加工力を工作物外部に設置した磁石により自由に調整することができ,加工に関与する磁性粒子が磁石面に磁力保持されているため半固定的な柔軟な加工挙動が得られる.このため,磁性粒子の新陳代謝および切りくず排出促進効果が得られ,工具寿命が長く,使用する粒子径を自由に選択できる特長をもつ.ここでは,本加工法の加工原理と特長を明らかにし,SUS304ステンレス鋼円管内面のドリル加工穴のバリ取りに適用し,工業有用性があることを示した.