砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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論文
電気防錆加工法の研究開発
—水循環システムの提案—
西川 尚宏佐藤 佳則加藤 将刈田 清貴井山 俊郎水野 雅裕吉原 信人萩原 義裕塚本 真也
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2010 年 54 巻 10 号 p. 603-606

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抄録

生産現場において,従来機械加工では油剤・極圧添加剤・乳化剤などを含んだ加工液が利用されている.しかし,使用後の廃液は焼却・埋立てや凝集沈殿といった処理が必要であり,温室効果ガス25%削減目標をはじめ環境規制強化から削減が望まれる.本研究では水のみを加工液として使用する電気防錆加工法を開発している.本論文では鉄系切りくずの錆による水汚染を解決し,加工水を再利用する水循環システムについて提案し開発を行った.水循環システムは使用後加工水から切りくずを除去し,かつ沈殿させつつ切りくずを防錆する切りくず沈殿防錆システムと沈殿除去できなかった微細切りくずと溶出したイオン類を除去して水を浄化する水再生システムから構成される.切りくず沈殿防錆システムにおいて72時間の大まかな切りくず防錆を実現し,沈殿槽水質を検証した.また,逆浸透膜を使用した水再生システムにおいて,汚染水を用いて水再生浄化検証を行い,水の再生を実現した.

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© 2010 社団法人 砥粒加工学会
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