抄録
カーボンの乾式研削においては,砥石の目づまりにより短時間で研削性能が低下するため,ドレッシングを頻繁に行う必要がある.しかし,ドレッシングではカーボンの切りくずのみならず,切れ味を失っていない砥粒も除去されるため,無用な砥石の消耗を招く.そこで,本研究においては,新たに粘着テープを目づまり状態の砥石表面に押し付け,はく離することで主に目づまりした切りくずを除去するドレスレス切れ味回復法を考案した.本報においては,切りくずの除去過程を明らかにするとともに,粘着テープの砥石に対する押付け力,はく離速度,転圧ローラの硬度が切りくず除去性能に与える影響を実験的に検討した.