砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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55 巻, 2 号
FEB.
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 神崎 昌郎, 森永 雄大
    2011 年55 巻2 号 p. 98-101
    発行日: 2011/02/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    生体適合性および摩擦特性に優れる非晶質炭素膜を人工股関節に応用することを念頭に置き,Ti添加および真空加熱処理による密着性向上を検討した.その結果,スパッタ成膜時に化学的に活性なTiを添加しただけでは,非晶質炭素膜の密着性改善の効果は得られなかったものの,成膜後に500℃-10分間の真空加熱処理を施すことにより密着力は向上した.特に,Ti含有量を15at%まで増やすことにより,低摩擦特性を維持した状態で真空加熱処理後の密着力は130%以上向上した.また,成膜温度を上昇させることによりTi添加非晶質炭素膜の密着力は向上し,真空加熱処理によりさらに高い密着力を得ることが可能となった.
  • 第1報:粘着テープを用いた切りくず除去法の提案と除去特性
    大西 孝, 大橋 一仁, 藤田 裕也, 住本 洋輔, 塚本 真也
    2011 年55 巻2 号 p. 102-107
    発行日: 2011/02/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    カーボンの乾式研削においては,砥石の目づまりにより短時間で研削性能が低下するため,ドレッシングを頻繁に行う必要がある.しかし,ドレッシングではカーボンの切りくずのみならず,切れ味を失っていない砥粒も除去されるため,無用な砥石の消耗を招く.そこで,本研究においては,新たに粘着テープを目づまり状態の砥石表面に押し付け,はく離することで主に目づまりした切りくずを除去するドレスレス切れ味回復法を考案した.本報においては,切りくずの除去過程を明らかにするとともに,粘着テープの砥石に対する押付け力,はく離速度,転圧ローラの硬度が切りくず除去性能に与える影響を実験的に検討した.
  • 今宮 麻衣, 坂本 幸弘
    2011 年55 巻2 号 p. 108-112
    発行日: 2011/02/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    RFスパッタリングによる窒化ホウ素膜作製におけるスパッタリングガスの影響について検討した.Ar-N2およびAr-N2混合ガスを反応性スパッタガスとして用いた.SEM観察の結果,スパッタ膜の表面形態は平滑であった.Ar-N2およびAr-NH3混合ガスでスパッタしたいずれの試料のXPSスペクトルでもBN結合が認められた.Ar-N2スパッタガスではN2割合の上昇に伴い,BN結合が増加した.Ar-NH3スパッタガスを用いて,それほど遅くない成膜速度で比較的高硬度が得られた.それに加えてCVDダイヤモンド基板へのBN膜の作製が可能であった.
  • 武知 孝洋, 田牧 純一, 久保 明彦, ウラ シャリフ
    2011 年55 巻2 号 p. 113-120
    発行日: 2011/02/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    切込み量によって加工プロセスを制御する固定砥粒加工を光学ガラスの延性モード加工法として実用化するためには,延性・脆性遷移臨界切込み深さに対する知見とともに,固定砥粒加工法固有の現象である弾性切り残しや盛り上がりなどの弾性・塑性挙動を理解することが必要である.本研究は,光学ガラスの弾性・塑性挙動を実験的に解明することを目的としており,石英ガラスを対象としてナノインデンテーションおよび単刃フライカット実験を行った.ナノインデンテーションでは,ビッカース圧子と球圧子の場合について押込み量と弾性変形率,塑性変形率の関係を明らかにした.単刃フライカット実験では,すくい角および先端半径の異なる3種類の切れ刃モデルについて,延性モード加工プロセスおよび脆性クラック発生形態の相違点を明らかにするとともに,石英ガラスの弾性回復率,弾性切り残し,盛り上がりに及ぼす切れ刃形状の影響を明らかにした.
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