抄録
近年,金型や切削工具の表面性状改善策の一つとして,粘弾性体を核体とし,その表面に微細な硬質粒子を坦持させた研磨材を投射するブラスト研磨法が注目されている.しかし,研磨機構を詳細に解明した事例は少なく,処理条件の最適化および高能率化のための指針も明らかではない.そこで本研究では,加工面性状に影響する支配因子を明らかにし,研磨機構の解明を行う.本報では,超硬材表面の研磨性状に及ぼす研磨材投射速度と研磨時間の影響を調べた.その結果,本実験で設定した研磨時間内において,研磨材の平均投射速度が21.4m/s以上では,研磨開始時より急激に表面粗さが低下した後,ある時間で急速にある表面粗さへと収束する傾向が認められた.この収束値に至るまでの時間,および収束値は平均投射速度により異なり,平均投射速度が高いほど短時間で,より低い表面粗さ値に収束することが明らかとなった.