抄録
近年,電子機器の高性能化の要求に対して使用材料の高硬度化,複合化,多層化が図られており,厚みの大きい硬脆材料の精密切断加工が求められている.本研究では,最大2ライン同時切断を高速で行えるダイシングワイヤソー装置を開発し,固定砥粒ダイヤモンドワイヤを用いて,一般のダイシング装置では加工困難な厚物の単結晶シリコンを被削材とした精密切断加工を行った.ダイヤモンドワイヤを線速750~1750m/minの1方向送りで走行させ,1ライン切断を実施し,切断抵抗,ワイヤ摩耗,被削材の表面粗さなどを実験的に調査した.その結果,高速走行時にワイヤ走行方向に働く力が付加される現象が確認され,切断幅の安定化および切断面粗さの向上を実現した.