砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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60 巻, 2 号
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  • 諏訪部 仁, 大久保 順平, 松川 和平, 石川 憲一
    2016 年60 巻2 号 p. 91-96
    発行日: 2016/02/01
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー
    SiCデバイスはSiデバイスに比べ,電力の低損失化や電力変換装置の小型化,電力変換の高効率化,冷却の簡易化など様々なメリットが挙げられ,今後,広い分野での応用が期待されている.しかし,SiCはダイヤモンド,立方晶窒化ホウ素に次ぐ高硬度材料であり,インゴットからウェーハに加工する際に大きなコストが掛かる.そのため,SiCの切断には一度に多くのウェーハを切り出せるマルチワイヤソーを用いる切断が主流となっている.マルチワイヤソーには固定砥粒方式,遊離砥粒方式が従来から用いられてきた.そこで,本研究では近年開発された遊離砥粒方式の発展型である低濃度のダイヤモンドスラリーに樹脂コーティングワイヤを用いる方式において,SiCのスライシング加工を行った.その結果,切断したSiCウェーハの表面のダメージ層を最大で58nmまで減少可能であることが明らかとなった.
  • 鈴木 孝彰, 大槻 俊紀, 閻 紀旺
    2016 年60 巻2 号 p. 97-103
    発行日: 2016/02/01
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー
    近年,電子機器の高性能化の要求に対して使用材料の高硬度化,複合化,多層化が図られており,厚みの大きい硬脆材料の精密切断加工が求められている.本研究では,最大2ライン同時切断を高速で行えるダイシングワイヤソー装置を開発し,固定砥粒ダイヤモンドワイヤを用いて,一般のダイシング装置では加工困難な厚物の単結晶シリコンを被削材とした精密切断加工を行った.ダイヤモンドワイヤを線速750~1750m/minの1方向送りで走行させ,1ライン切断を実施し,切断抵抗,ワイヤ摩耗,被削材の表面粗さなどを実験的に調査した.その結果,高速走行時にワイヤ走行方向に働く力が付加される現象が確認され,切断幅の安定化および切断面粗さの向上を実現した.
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