2018 年 62 巻 5 号 p. 264-266
サファイアなどの難加工材料基板の高効率研磨を実現するため,摩耗特性の異なる材料を用いたポリシングパッドを開発した.ここではポリシングパッド面に耐摩耗性や強度などの機械的特性が高いナイロン繊維と耐摩耗率の低い材料を配列させて,ドレッシングを行うことでナイロン繊維部分に突起形状を形成する.ここでナイロン繊維の配向性や配列を制御できれば,パッド表面にマイクロ突起形状が得られ,安定した研磨性能が期待できる.本研究では本手法で開発されたパッドを形状発現型パッドとし,試作品を用いてサファイア基板をポリシングした.その結果,汎用品パッドのSUBA600より30%程度の材料除去レートの向上が得られたので報告する.