砥粒加工学会誌
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超音波振動切削による表面特性向上と耐疲労性の評価
水谷 秀行渡邉 幸一
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2020 年 64 巻 11 号 p. 569-573

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抄録

材料表面の圧縮残留応力は,耐疲労性の向上につながるが,通常の切削面は弱い引張残留応力状態となり,高い圧縮残留応力の生成は期待できない.そこで,安全性の要求が厳しい部分に対しては耐疲労性の向上を目的として加工後にショットピ-ニングなど高い圧縮残留応力を付与する工程が加えられる.しかし,こうした工程の追加は生産性の低下を招くだけでなく,表面粗さの悪化につながる場合があるため,本研究は,切削によって直接加工面に高い圧縮残留応力を生成し,部材の耐疲労性の向上を実現する加工技術の開発を目的とした.本稿では,超音波振動切削面が圧縮応力型となる点に着目し,これに切れ刃形状の変化を適切に組合せることによって切削面に-1000MPaを超える高い圧縮残留応力が生成されることを見出した.また,圧縮残留応力値が高い切削面は表層硬さも硬く,これらの表面特性の向上が材料破断までの繰返し数を増大させ,部材の耐疲労性の向上に大きく寄与することを疲労試験によって実証した.

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© 2020 社団法人 砥粒加工学会
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