2020 年 64 巻 11 号 p. 574-579
Additive Manufacturingの主力技術である粉末床溶融結合は,比較的生産性が高く,強度および靭性が高くかつ複雑形状を造形できることから,トポロジ-最適化技術と合わせてマスカスタマイゼ-ションを実現する次世代のものづくり技術として期待されている.一方で部品表面の粗さが大きくなってしまうといった課題が残っている.この表面の粗さは,研磨などの後処理によって低減されているが,後処理では複雑形状に対応することができない.そのため,造形プロセス中に処理し平滑な面が得られることが重要である.粉末床溶融結合部品の表面が粗くなる要因には,原材料に粉末を使用することと,部品となる造形部分は液状でプロセスが進行することが想定される.しかし現状では,表面の粗さと造形時の溶融状態との関係が明らかとなっていないため,体系的に最適な状態とすることが困難である.本研究では,表面の溶融状態を再露光することによって変化させ,エネルギ-供給量および試料上面への粉末材料の供給と関連付けて調査した.その結果,部品上面に再露光することによって表面粗さを低減でき,それが部品強度にも影響を及ぼしているとの知見を得た.