2020 年 64 巻 4 号 p. 201-207
砥石軸と工作物軸を直交あるいは所定量傾斜させるTurn Grindingは,一般的な円筒研削と比べて,砥粒切込み深さと切込み角が小さくなることで,切りくずの形状が薄くなり,表面粗さの向上や研削抵抗の抑制効果が期待できる手法である.しかし,砥石-工作物周速度比が大きくなると砥粒切込み深さと切り込み角が極端に小さくなるため研削条件の選定が難しい.本研究では,Turn Grindingの研削条件の選定指針を得ることを目的に,砥石-工作物周速度比が研削抵抗と工作物表面粗さに及ぼす影響を実験的に検討した.その結果,砥石周速度を一定として砥石-工作物周速度比を小さくする,あるいは砥石周速度と砥石-工作物周速度比をともに増大させたとき,表面粗さが減少傾向にあることがわかった.