2021 年 65 巻 2 号 p. 98-103
本研究では,マイクロボ-ルエンドミル加工における切削加工点の切削速度が,切削抵抗および加工誤差に及ぼす影響について検討した.本実験により,切込み量および1刃当たりの送り量が一定の場合,切削加工点に依存せず,切削速度の増加に伴い切削抵抗Fxzは減少傾向にあること,切削抵抗Fxzが増加した場合,加工誤差の原因となる工具たわみ量δt’も増加することがわかった.最後に静荷重を負荷した際の工具変位と切削抵抗および工具たわみ量は,どちらも線形関係を示したことにより,切削抵抗の最大値と静荷重による工具変位の関係から,工具のたわみによる加工誤差の予測と切込み補正量を決定できる可能性を示した.この結果,R0.2のマイクロボ-ルエンドミルにおいて,加工誤差を1μm以内に抑える数値目標を得た.