2022 年 66 巻 6 号 p. 342-347
歯科治療における歯冠の作製は,鋳造法からCAD/CAMシステムによる切削法に変わりつつあり,近年ではセラミックス3D造形技術の適用が注目されている.本研究ではこのセミラックス3D造形技術に注目し,造形体の機械的特性や生体適合性,さらには審美性などの複数の機能を同時に付与するための革新的な造形プロセスの構築を目的としている.本稿ではとくに審美性に着目し,自然歯に近いカラ-グラデ-ションを達成するための造形条件について詳細な検討を行った.その結果,色調の異なる粉末と樹脂の配合率を変えることにより造形体の色調を制御可能であるということが明らかとなった.また,それらを多層化した際,目視では色調の境界は認められず,色調のグラデ-ションを作製可能であるということが示された.