2023 年 67 巻 2 号 p. 87-94
エンドミル側面切削時に再生びびり振動が生じると,加工面にびびり模様が形成されることが知られている.本研究では,加工面びびり模様の2次元離散フ-リエ変換を基に,切削時に生じたびびり振動の振動情報(びびり振動数と再生効果の位相差)を逆解析する手法を提案している.本報では,主軸回転数を変化させながら切削した際に生じた高い振動数(4.5 kHz程度)のびびり振動現象をびびり模様から提案手法によって逆解析し,工具ホルダに内蔵された加速度センサで計測した工具振動の解析結果と比較検討した.これにより提案手法が,高い振動数でも十分な精度で振動数と位相差の逆解析が可能であること,また安定ロ-ブに従って変動するびびり振動現象を明確に捉えられることが確かめられた.