2022 年 8 巻 1 号 p. 65-71
本研究の目的は,異なる2種類の筋力トレーニングが長腓骨筋(PL)と短腓骨筋(PB)の筋形態に及ぼす即時的影響を検証することである.セラバンドを母趾球から押し出す母趾球運動,第5中足骨底から押し出す第5中足骨運動の2つの足関節外反運動を実施した.運動実施直前と直後,10と20と30分後に腓骨頭と外果を結んだ線の近位25%と遠位75%での腓骨筋群の筋横断面積と筋輝度に加え,足関節外反筋力を測定し,項目ごとに各測定時点間で比較した.母趾球運動でPLを示す近位25%,第5中足骨運動でPBを示す遠位75%の筋横断面積が実施直後に有意に増加し,その後経時的に減少したため,本運動でPLとPBを選択的に筋力トレーニングできることが示唆された.