日本アスレティックトレーニング学会誌
Online ISSN : 2433-572X
Print ISSN : 2432-6623
9 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
特集
原著
  • 白井 克佳, 花岡 裕吉, 原 将史, 中村 有紀, 清水 和弘, 久木留 毅, 赤間 高雄
    2024 年9 巻2 号 p. 113-122
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    本研究は,第32回オリンピック競技大会(2020/東京)におけるメダル獲得上位国が日本国内の事前合宿地で実施したコンディショニング活動を明らかにすることを目的とした.上位国の事前合宿の実施状況および事前合宿地におけるコンディショニングに関する活動について調査を実施し,これらの調査結果と競技結果との関係について検討した.その結果,コロナ禍にも関わらず上位国が多くの事前合宿を予定通り実施したこと,多くの国が医師,セラピスト,トレーニング指導士を帯同したことが明らかとなった.競技成績との関係では,事前合宿を関東で実施した国の競技成績が良好であることが明らかになった.

  • 高橋 佐江子, 笹代 純平, 中里 浩介, 石毛 勇介, 中嶋 耕平
    2024 年9 巻2 号 p. 123-128
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    本研究はアルペンスキー選手を対象とし,スキーブーツ(以下,ブーツ)着用時とシューズ着用時の片脚スクワット動作とスクワットジャンプ動作の下肢関節の矢状面および前額面上の運動学的変数の差を検証した.対象者の全身左右計14ヵ所にマーカーを貼付し,前方・側方のカメラ2台で記録し分析を行った.結果は,片脚スクワットの体幹側屈角度,膝関節外反角度,体幹前傾角度,膝関節屈曲角度,足関節背屈角度に有意差が認められた(p<0.05).一方で,スクワットジャンプでは下肢関節角度に有意な差は認められなかった.このことから,片脚スクワット動作ではブーツの着用の有無で動作時の下肢関節運動は異なり,アルペンスキー選手におけるスポーツ外傷・障害のリハビリテーションやコンディショニングの際に,ブーツを着用した動作の確認が必要となる可能性が示唆された.

  • 勝家 海大, 吉田 知史, 高野 将伍, 林 和磨, 篠原 純司
    2024 年9 巻2 号 p. 129-136
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    近年,足部内在筋を選択的に強化するトレーニングとしてショートフットエクササイズ(short foot exercise : SFE)が注目されている.SFEは動的姿勢制御を向上させることが報告されているが,2週間の効果を検証した研究は存在しない.また,体性感覚の1つである足底表在感覚に及ぼす影響に関する先行研究も限られている.したがって,本研究では2週間のSFEが動的姿勢制御および足底表在感覚に及ぼす影響について検証することを目的とした.結果,2週間のSFEは動的姿勢制御を向上させる効果はみられなかったが,足底表在感覚を向上させることが示唆された.

  • 田島 千紘, 大伴 茉奈, 鶴 健一朗, 中陳 慎一郎, 齋藤 守弘, 細川 由梨
    2024 年9 巻2 号 p. 137-146
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    本研究は,長野県菅平高原に夏合宿で訪れた学生チームスタッフを対象に(1)学生スポーツチームスタッフにおけるBLS講習経験,BLSの自信,BLS手順の理解の関連と(2)スタッフの立場別にBLS講習経験とBLS手順への認識を明らかにすることを目的とした.BLS講習経験がある者は全体で132名(82.0%)であった(競技指導者54名,76.1%;顧問50名,94.3%;トレーナー19名,100%;学生スタッフ9名,56.3%).BLS講習経験回数はBLSに対する高い自信や理解に関連があり,自信がある者の方がBLS手順に関する正しい理解を示した.立場別には自信およびBLS手順への理解に統計学的有意差は検出されなかった.

  • 相川 昌巳, 土屋 裕睦
    2024 年9 巻2 号 p. 147-153
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    JSPO-AT が経験している職業性ストレッサーがバーンアウトへ与える影響を明らかにするために,臨床現場で患者や選手を相手に活動するJSPO-ATを対象に調査を行った.

    その結果,「仕事の量的負担」や「職場での対人関係」,「仕事のコントロール度」といった職業性ストレッサーがバーンアウトの発症に影響することが示された.JSPO-ATがバーンアウトに陥ることは,支えられる選手や顧客にも悪影響が及ぶためバーンアウトを事前に防止することが重要である.JSPO-ATのバーンアウトを予防・軽減するために,多職種との連携によって,サポートが受けられる関係性を構築していくこと,仕事以外の私的な生活時間の確保をすることが重要であると考えられる.

  • 山本 亮太, 上久保 俊直, 井上 夏香, 筒井 俊春, 広瀬 統一, 鳥居 俊
    2024 年9 巻2 号 p. 155-161
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    大学生女子陸上競技選手を対象に1シーズンに自己最高記録(PB)を更新した選手と更新しなかった選手の身体組成の変化の違いを明らかにすることとした.1年間のうち合計3回の二重エネルギーエックス線吸収法計測を行い,シーズンベスト(SB)前後の身体組成値の変化をPB更新群と非PB更新群で比較した.PB更新群と非PB更新群ですべての項目に統計学的差はなかったが,PB更新群において全身脂肪量が高値であった.また,全身除脂肪量はSB前後で主効果がみられ,PB更新の有無にかかわらずSBを出す前の測定値が有意に高かった(p=0.002).体組成を参照するうえで,全身除脂肪量だけでなく全身脂肪量に対しても考慮する必要性が示唆された.

  • 青木 章乃, 中 大輔, 伊藤 一也, 星 賢治, 蒲田 和芳
    2024 年9 巻2 号 p. 163-169
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    本研究は,静的ランジ動作における膝関節アライメントを制御する下肢筋活動をKnee-in群とNeutral群間で比較検討することを目的とした.減速動作を含むスポーツ経験のある男性20名を対象とし,Knee-in群とNeutral群に分け,膝関節前額面中間位のランジ肢位にて殿部・大腿部筋活動を比較した.またNeutral群において,前足部と後足部荷重時の下腿筋活動を比較した.殿部,大腿部の筋活動に群間で有意差はなかったが,前足部荷重にて腓腹筋,ヒラメ筋,長腓骨筋の筋活動量が高値を示した.殿部や大腿後面の筋活動が膝関節外反を是正しているとはいえず,前足部荷重は下腿後面の筋活動量が増加することにより膝関節矢状面アライメントを安定させる可能性が示された.

  • 柴田 陽介, 栗田 泰成, 森下 佳穂, 尾島 俊之
    2024 年9 巻2 号 p. 171-181
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/05/31
    ジャーナル フリー

    高校の運動部活動におけるトレーナーサービス利用の要因を明らかにすることを目的とした.全国の高校のすべての運動部顧問を対象とした横断研究を行った.調査項目はトレーナーサービス利用の有無と学校(地域,設置,生徒数),部(競技,部員数,部員の性別,練習状況,目標),顧問(性別,年齢,教員免許,教員歴,運動部歴,トレーナーサービスの利用歴)の要因とした.解析はクロス集計を行い,お互いの影響を調整したトレーナーサービス利用ありに対する各要因のオッズ比を算出した.6045人から回答が得られた.トレーナーサービス利用の要因は,団体競技,特にラグビー,部員数が多い,目標が高い,顧問にトレーナーサービスの利用歴があることであった.

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