抄録
23品種(日本産7,インド産5,中国産3,イゾドネシア産2,北米産2,南米産2,ベトナム産1およびハワイ産1)について,花青素着色に関する遺伝子の同定実験を行なった。2.花青素着色を支配する遺伝子については,長尾(1951)および高橋(1957)の説にしたがった。すたわち,花青素形成に欠くことのできない基礎遺伝子としてC(クロモーゲン)およびA(アクチペーター)が相互に補足的に働き,さらに植物体の部位特有の分布遺伝子が関与するとするものである。3.CおよびAの補足関係は,日本産品種相互間のみならず,外国品種と日本品種との間にも適用されることが明らかになった。ただし,例外の2品種(IN-1,SA-1)では,分析品種との雑種で,遺伝子の補足関係に矛盾がみられた。他の4品種では,交雑組合せの不備のために,遺伝子の同定はなされなかった。4.Pr(穎全面着色)遺伝子をもつ品種として,日本産2,インド産2があきらかにされた。5.俘先の色調を淡い方向へ変化させる抑制遺伝子(Ip)の存在が推定された。