日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
甲状腺全摘術後も持続する甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体高値に対し二重膜濾過血漿交換療法を施行したバセドウ病妊婦の1例
木村 竜希江間 信吾水口 智明森田 耕司佐藤 太一加藤 明彦
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2019 年 10 巻 1 号 p. 36-39

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抄録

32歳女性。バセドウ病妊婦として,当院産婦人科に紹介された。入院時の甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体(TRAb)が394.0 IU/Lと異常高値であり,甲状腺全摘術を施行したが依然高値であった。術後から胎児頻脈が出現し持続したことや,出産時の非免疫性胎児水腫や分娩時の気道狭窄胎児のリスクが考えられたため,TRAb除去および胎児救命の目的で二重膜濾過血漿交換療法(DFPP)を施行した。DFPPによってTRAbは約52〜60%低下し,43.9 IU/Lまで低下した。妊娠34週6日に帝王切開で男児を出生し,現在まで順調に経過している。DFPPはTRAb高値のバセドウ病を合併した妊婦の治療において,有効な治療法である可能性がある。

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© 2019, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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