2020 年 11 巻 1 号 p. 55-60
持続的血液濾過透析(continuous hemodiafiltration:CHDF)に使用される血液濾過器はpolysulfone(PS)膜,polymethylmethacrylate(PMMA)膜,acrylonitrile(AN69ST)膜など数種類あり,それぞれ特徴的な構造を持ち吸着および濾過特性に違いがあると報告されている。そこで,CHDF施行中の濾液中および施行後の血液濾過器に吸着したタンパクに着目し,吸着および濾過特性について検討した。敗血症,敗血症性ショックにてCHDFを施行した患者を対象とし,CHDF施行中の濾液を採取,また施行後の中空糸を取り出し,濾液中および膜に吸着したタンパクを測定した。その結果,幅広い等電点のタンパクに吸着特性を示した膜がAN69ST膜,高分子量のタンパクに吸着特性を示した膜がPMMA膜であった。PS膜は濾過性能が高く,10kDa程度のタンパクで濾過特性を認めた。これらの相違点は血液濾過器の構造やタンパク結合様式および陰性荷電の違いも関与している可能性が考えられ,血液濾過器における抗炎症効果の機序を解明する上で重要な手法となるかもしれない。