2020 年 11 巻 1 号 p. 68-72
AN69ST膜はメシル酸ナファモスタット(NM)を吸着することが報告されており,その対策として当院ではV側にもNMを分注する2Way法を採用している。当院の2Way法プロトコルは,1本の膜で22時間以上の施行を目標とした場合,達成率は94%と良好であったが,NM時間投与量は41.0±9.7mg/hrと他の膜と比して多かった。膜前後でACTは延長していなかったが,目標未達成となった症例の凝固箇所はすべてVチャンバーであり,膜には凝固がみられなかった。以上より,AN69ST膜は抗凝固能に優れた膜であると推察し,A側NMを大幅減量した新プロトコルの作成を試みた。新プロトコルの目標達成率は95%であり,従来のプロトコルと比較して回路凝固を増加させずNM時間投与量を18.5±2.4mg/hrと55%減量可能であった。