2024 年 15 巻 2 号 p. 142-146
【緒言】腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome:TLS)は腫瘍の急速崩壊で多臓器不全となり生命予後に影響する疾患である。T細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)の治療中にTLSによる高K血症に至り緊急透析を行った一例を報告する。【症例】15歳,男児。体重52.9kg。T-ALLと診断しプレドニゾロン15mg/m2を投与した。TLS高リスクであり治療開始後K 7.3mmol/L,Cre 1.77mg/dLへの上昇と心電図変化を認めTLSによる高K血症と急性腎障害に対し緊急血液透析を実施した。抗凝固薬はヘパリン,血液流量は160mL/分,透析液流量は500mL/分で4時間施行後,K 4.4mmol/L,Cre 0.81mg/dLに改善した。以降は補液と利尿薬で管理可能となり現在は維持療法中である。【結論】症例毎に腎代替療法(renal replacement therapy:RRT)のモダリティを検討し必要時には迅速にRRTを行う必要がある。